失敗しない経営計画の作り方
失敗する経営計画書の5つのチェックリスト
あれもこれも盛り込み過ぎていないか?
考えに考えて作り上げていく経営計画書は、どうしても、あれこれ網羅をしたくなってきます。ある意味正しいのですが、これが逆の作用をしてしまうため注意が必要です。
あれこれ書かれた経営計画書は、実をいうと社員は使い込んでくれません。長くてわかりにくいため、読むのも面倒になってしまいます。これでは時間とお金をかけて作った経営計画書の価値が半減してしまいます。「あれもこれも」をぐっとこらえて、シンプルな内容で中身の濃い経営計画書を目指しましょう。
使いやすい形状、仕様になっているか?
10年ほど前、当社の経営計画書はパワーポイントで作成したA4サイズ10枚のホチキス止めでした。当時は社員も10名程度。社長である私自身でさえ、このA4サイズの経営計画書をどこかにしまいこんでしまい、すぐに見つけることもできない。もちろん会議には誰も持ってきません。社長が持ってこないのだから当然ですね。結局、経営計画書の価値が低いものになっており、社員が活用するようにはなっていませんでした。
そうしたことから、当社では2010年から経営計画書を手帳にしました。さすがにA4サイズのホチキス止めにすることは一生ありません。
当社では経営計画書を手帳にしたことにより、うまく活用できるようになりましたが、必ずしもこの仕様にこだわる必要はないと思います。専用ファイルを作成して差し替えできるようしている会社もありますし、A4サイズで出力して文具の留め具で製本している場合もあります。
要するに全社員が経営計画書を活用するために形状や仕様も工夫をすることが大切です。
共有する場や時間があるか?
経営計画書の中身、進捗度合いをチェックしあえる場、時間を定期的に作る必要があります。
当社では、社員は必ず会議に経営計画書を持参します。現在では持参しないのが稀です。幹部会議や部門会議でも、必ず経営計画書の内容を見ながら業績等の進捗確認を行います。そうした取り組みによって、月1回は社員同士がお互いの目標等を確認することができます。
経営計画発表会の半年後には、経営計画の進捗確認、目標の修正を行うために全社会議を開催します。こうした共有する場や時間を意識的に作っていく事で、経営計画書は年々、質が上がっていきます。
経営計画書を社員同士が共有する場や時間をどうやって作っていくかが重要です。
作りっぱなしで実践されているか?
これは前述の「共有する場があるか」と内容が重複のところでもありますが、少し切り口が違います。 トップである社長が現場担当で飛び回っていると、経営計画書を作り上げるまでにも相当な時間を要しますが、せっかく完成しても、作り上げた達成感で計画を実践することから目を背け、経営計画書が机の引き出しに放置されたままになってしまうケースが相当あります。
これは私にも経験がありますが、理由は、トップ自らが「プレーイングマネージャー」だからです。プレーイングマネージャーは、現場を持ちながら部下の指導もするため、多くの場合、社長の営業力や影響力は高くなる半面、社長の時間はほぼ現場に吸い取られてしまいます。しかし、経営計画を現実化するには、社長は現場で動くのではなく、「良い会社をつくる」ために、策定した経営計画の実践を現場に促すための陣頭指揮を執らなければなりません。
プレーイングマネージャーからの脱却は、企業の成長過程において乗り越えなければならないハードルです。私の持論ですが、企業のトップが「プレーイングマネージャー」でガンガンまわる経営計画書を実践している会社は皆無であると考えています。こうした会社は、社長の仕事を任せられる社員をつくる必要がありますが、これもまた難しい課題です。
経営計画書が毎年、継続できているか?
経営計画書ができても実践できなければ価値は半減です。毎年、継続できなければさらに半減です。今年は忙しくて作る時間が無いとか、なんとなく決算を迎えて時間経過してしまったという会社も多いです。
私は1年目よりもむしろ2年目、どのように進化させることができるかがとても重要だと感じています。
1年目は思いが強いので、書き上げることも実践することもできると思います。難しいのは継続です。ひとつコツをあげるとすれば、毎年必ず経営計画発表会の日程を決めることです。
予定は1年前に決めて年間スケジュールに記載します。経営計画発表会は、特別だと意義づける為、会社の会議室は避け、できればホテルなどの社外で毎年開催できると最高です。そうした経営計画発表会が数年開催されれば、もう習慣化してくるので安全圏です。1年目より2年目、2年目より3年目が大事です。継続する経営計画書を作りましょう。
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